散々言われ尽くしてることしか、書くことはないんだけど、なんか本気で導入が検討されそうな気配なので、 一度きちんと書いておこうと思います。
大分前にも一度サマータイムが議論されていたことがありましたが、そのときは郵政選挙の煽りで凍結されていたんですよね。 ところが、ここのところ、急にこの話が息を吹き返しました。しかも、昨日辺りの記事では、福田首相がとっても前向きなコメントをしていたりするわけで。
で、ちょっと整理してみよう。
まず、そもそもサマータイム(夏時間)とはなんなのか。 端的にいえば、「夏は日の出が早いので、それにあわせて、時計を1時間前倒ししよう」っていう制度ですな。 結果的に早寝早起きになるので、夜に使う電気が少なくなったり、明るいうちに遊べるようになったりというメリットがあるということになってます。
今回、福田首相が賛意を示しているコメントでは「(環境問題に対する)国民の意識改革に役立つこと」という言い方をしている。
ということは、環境の側面を重視した結果、導入しようと検討を始めているわけですね。 じゃあ、実際どの程度の環境効果があるのかということを、どれだけきちんと試算してるんですかね。
確かに過去に試算したデータというのは残っています。1999年に当時の通産省が試算したデータでは、原油換算で年間50万リットルの省エネ効果が期待できるそうな。 ちなみに、当時の日本の消費量から単純に均等割で計算すると、おおよそ11時間分です、はい。
正直、たったこんなもん?って気がしませんかね…わたしはすごくします。 まぁ、デメリットがないのであれば、この程度のメリットでもやる意味はあると思うんですが、明らかにデメリットもいっぱいあるのよね。
まず、日本でどれだけのものが24時間体制で動いているかということを考えて欲しい。 飛行機や鉄道などの交通機関、商品流通をつかさどる運輸業者、電気・ガス・水道などのライフライン、 こういうものは、絶え間なく何らかの処理が行われているわけで、そこを1時間ふっとばすっていうことは、 それぞれ例外的な処置が必要になってくる。これをシステムとして吸収するか、人間が運用で吸収するかはそれぞれだろうけど、 このコストって、えらいコストだと思うんですが(苦笑)。
また、それ以外でもよく言われていることは、始業が1時間早くなったところで、本当に1時間早く帰れるのか? ってことですよね。もともと、最近のサマータイム論議も、日本経団連が自民党に提案したことがトリガーになっているわけで、 労働時間の増加を狙ってるんじゃないのか?と勘ぐりたくもなります。
あとは、メリットとしている削減効果についても、日本人って元々農耕民族で、日が出てる間は仕事している民族なので、 日本の夏の文化は、日が沈んでから夜の涼しさを楽しむものが多いのよね。それ考えると、明るいうちに帰るってのも、何か違う気がする。
いずれにしても、ちょっと考えただけでも、その効果が想像できる高緯度地域ではなく、 この日本で導入するというのなら「日本で」どれだけのメリットがあって、「日本で」どれだけのコストが発生するかっていうのを、 しっかりと考えた上で、検討することです。国民ほとんどの生活リズムに直結する話である以上、思いつきでやっていいような話ではありません。
ぶっちゃけ、この今の状況で、2009年とかに導入したら、間違いなく「サマータイム不況」がやってくるよ。 システム会社は特需があるかも知れないけど、現場のSE/PGはみんな過労死だな、きっと。 そして、2000年問題のときのように、サマータイム施行日にみんな技術者が泊り込みで監視とかやるんだろうねぇ…(遠い目)。
しかし、あれだけの数の政治家が、サマータイムの議連に入ってるってことは、 いかに政治家が、日々の定時に追われていないかを示しているような気がする…。忙しいのは忙しいんだろうが。