[本]

「銀盤カレイドスコープ」。 / 2006-02-01 (水)

 集英社スーパーダッシュ文庫の「銀盤カレイドスコープ」(海原零)ですが、今日、最新の6巻まで読み終わったので、感想なんぞ。

 最初はなんで読もうと思ったんだっけな。なんか(な)の人が読んでるのは知ってて、挿絵が鈴平ひろ氏だということもあって、店頭では何度か見たことはあって…。 まぁ、そんな状況下で、アニメ化されて1話を見たら、余りの出来にげんなりしたのがきっかけだったような(汗)。

 つーわけで、まとめて注文して、1巻から読み始めたわけですが…。 まず、感じたのはテンポの良さ。まぁ、ライトノベルなんだから、それはある意味必須要素ではあるんですが、 それでも、主人公タズサの裏表のなさすぎる性格もあってか、すごく気持ちいい。

 フィギュアスケートという、概要は誰もが知っていても詳細になるとほとんどの人が知らない世界。 細かい技の名前などは、多分みんなわからないでしょうけど、 それでも、気持ちよく読み進めていけるというのは、「ジャンプ」「スピン」といった単語から、なんとなく動きが想像できるからでしょうか。 わたしは、ジャンプの種類とかはある程度知ってるので、また違った読み方をしてるかも知れませんけど…。

 さて、この1巻と2巻は、著者のデビュー作であり、また新人賞の応募作品でもあります。そのせいもあり、見事に完結してるんですよね、2巻で(苦笑)。 才能はあるのに本番に弱く結果が出せない、16歳のスケーター桜野タズサ。そして、そのタズサに憑いてしまったカナダ人の幽霊ピート・パンプス。

 この第1部ともいえる、1、2巻ではピートがいわばアドバイザーのような役目を果たし、2人でトリノ五輪(実世界ではもうすぐですが)を目指します。 タズサの成長ストーリーなのですね、要するに。そして、ちょっぴりのロマンスと。

 正直なところ、2巻の結末が気に入って、もうこれで十分と思った人は、3巻以降は読まない方がいいかも知れません(苦笑)。 もし、読むのであれば、一気に最新6巻まで読んでいただきたい。3巻、4巻辺りまでだと、ちょっと首を傾げるかもしれない(わたしは首を傾げた)。

 内容がばれない程度に3巻以降を説明すると、まず3巻は第1部の余禄というか、いわばつなぎで、この3巻をもって、桜野タズサというキャラクターは「完成」したように思います。 完全に表裏がなく思ったことは口にする、スケート以外のことにはあまり頓着しない、そして自信家。 そんなタズサがわたしゃ、かなり気に入ってたりするのですが(笑)。まぁ、身近にいたら、きっと中身が見える前に引いてしまうでしょうが…。

 4巻以降は、タズサが脇役に回り、ちょっと見には外伝に見えますが、6巻まで読んだ今では、全体のストーリーの一部だと感じられます。 正直に言って、最初に4巻を読んだときは、強烈なキャラのタズサが前面に出てこないので、物足りなさを感じたんですが、5巻、6巻と読み進んで行くうちに、なんとなく納得できました。

 この第2部にあたる4~6巻では、タズサはほんの少しの出番と、行動の伝聞があるだけです。 しかし、タズサの行動とその状況が容易に想像できるだけに、ほんのちょっとの情報でタズサというキャラは熟成し、物語世界での存在感は更に増していきます。

 なんというか、他人の目から見ていることで、タズサのスケーターとしての凄さが際立つといえばいいのかな。 これを普通にタズサの視点で描いていたとしたら、面白くはあったでしょうが、タズサの自信満々な発言が入ることで、凄さという印象は出なかったように思います。

 さて、作者によると、次巻の物語が最終巻だそうですが、どのようにまとめてくるのか今から楽しみです。 物語の作り方として、最後の物語の主役はリア、ガブリー、そしてもちろんタズサのはず。 本物のフィギュアスケートでも見ながら、発売されるのを待つとしますよ(笑)。タズサが幸せになれる結末だといいなぁ…。


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