滞ってる更新について、まずはこっから取り掛かります。台湾レポートは、まだ写真の整理ができてないのよ(汗)。
日本では一般的に「ギャルド」とか「パリ・ギャルド」と呼ばれている、「パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団」の公演に行ってきました。
パリ・ギャルドは、原語ではOrchestre de la Garde Républicaineといい、直訳すると共和国警備隊の楽団といったところでしょうか。
一般には「共和国親衛隊音楽隊」と訳されることが多いようです。以下では単にギャルドと呼びます。
このギャルド、吹奏楽をやっていた人なら、ほとんど知らない人はいないと思いますが、その世界に関わりがなかった人にとっては、
まったく知らない名前かも知れません。
前述の通り、フランスの軍楽隊なんですが、パリ音楽院卒業者から選抜されたメンバーで構成されており、世界トップクラスの吹奏楽団といえます
(ギャルド自体は、弦楽器編成もあるので、実は「吹奏楽団」といってしまうのは語弊があるんですがね…)。
というわけで、2回いってきたので、それぞれの感想をば。
■10/6 東京オペラシティ・コンサートホール(タケミツメモリアル)
トランペットとフリューゲルホルンソロにセルゲイ・ナカリャコフを迎えたプログラム。
演奏曲目は以下の通り(SNと記載したものは、ナカリャコフがソリストとして参加する曲)。
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」、シュミット:ディオニソスの祭り、
ガーシュイン:ラプソディ・イン・ブルー(SN)、J.S.バッハ:G線上のアリア(SN)、ディニク:ホラ・スタッカート(SN)、
バルトーク:舞踏組曲、ガーシュイン:パリのアメリカ人。
著名な吹奏楽団が公演のときって、制服姿の高校生(推定、吹奏楽部員)がわらわらいるものなんですが、
今回もその例に漏れず、30人くらいの集団がいたり、価格の安いテラス席に主に生息してました(笑)。
音に関して、実は最初のステージ上の音出しの時点で嫌な予感がしました。クラリネットが妙に悲鳴上げてたのですよ。
悲鳴ってのは、要するにひどく締め付けられた耳障りな高音のことです。
最初のドン・ファンのクラリネットは、ピッチ(音程)ははまってないわ、悲鳴上げまくりだわで、ちょっとブルー入ってた(苦笑)。
ただ、途中に入ったホルンの音は身震いするほど素晴らしく、全体としては、まぁまぁという感じでした。
次のディオニソスの祭りは、自分自身も昔やった曲。すげー難解で音符が多い曲なんですが、
日本ではコンクールの定番曲になっています(もちろん、これ選択するのはすごい覚悟がいるんですが…)。
思い出補正もあったのかも知れませんが、すごく良かったです。ドン・ファンで気になったクラもちゃんとはまってたし、
100人編成できっちり鳴らすと、ものすごく格好良い曲だということを再認識。
ラプソディ・イン・ブルー(以下、RiB)からは、ナカリャコフが登場。トランペット版のRiBって初めて聞きましたけど、
原曲ではクラがやる冒頭のグリッサンドから、本来のソロ楽器であるピアノパート以外の部分も結構吹くんですねぇ…。すごく新鮮なRiBでしたわ。
RiBの後は20分の休憩。こっそり、楽団員が何人かロビーに顔を出していたり。気づいた人と写真撮影などしていた模様。
2部はG線上のアリア、ホラ・スタッカートという小品からスタート。正直な感想。G線上のアリアは普通に弦の方がいいなぁ(苦笑)。
ホラ・スタッカートは小気味良かったんですが。ここで、ナカリャコフの出番は終了。
アンコールのような感じで、ソロで1曲吹いていかれました。…トランペットって、こんな器用な鳴らし方できるんですねぇ…。
まるでギターみたいに、高音の連続音の中に低音混ぜたり、濁らせたり、なんか凄かった…。
この最後のアンコールもどきのソロが、一番技術を見せ付けられた気がします、はい。
もう、この頃になると、完全にハイテンションになっていて、心の底から楽しんでいました(笑)。
舞踏組曲も色彩豊かにリズムを鳴らしていたし、パリのアメリカ人も吹奏楽編成でこんな色合いの演奏ってできるんだなぁと嘆息。
凄すぎて自分らの演奏の参考にはならないかも知れませんわ(苦笑)。
アンコールは5曲。ビゼー:組曲「カルメン」より「闘牛士の歌」、リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行、
フランス民謡「カルマニョーレ」、BEGIN:涙そうそう、J.シュトラウスII:ラデツキー行進曲。
アンコールでますますテンション上がりまくり(笑)。あんまり、引っ張ることはせず、さくさくやって、総時間が2時間半くらい。
終わってみると、最初のクラへの不満など吹っ飛び、ギャルドってすごいなぁという感想に落ち着いていた(苦笑)。
特に印象深かったのは、Wリード軍団(オーボエ、コーラングレ(イングリッシュホルンという方が通りがいいかな)、ファゴット)。
あとは、100人編成ならではの、Tuttiで鳴らしたときの迫力。もう、正に酔った状態で帰路に着きましたよ(笑)。

■10/11 よこすか芸術劇場
オペラシティの公演があまりに良かったので、急遽とったチケット。
実は5日にパリ管弦楽団を見に行く予定だったのが仕事の都合で行けなくなり(チケット捌きにご協力いただいた各位、ありがとうございました)、
曲目もパリ管と似てるから、いいかーとも思っていたり(笑)。
このよこすか芸術劇場。わたし前から疑問だったことがひとつあって、名称表記が「横須賀芸術劇場」というのと、
「よこすか芸術劇場」って2種類あるんですよね、ここ。調べてみて、やっとわかりました。
「横須賀芸術劇場」というのは、施設全体の名前で、「横須賀芸術劇場」の大劇場の名前が「よこすか芸術劇場」なんですね
(ちなみに、小劇場は「ヨコスカ・ベイサイド・ポケット」)。
ここはクロークがあって、無料のコインロッカーもあって、ステージも見やすいし、いいホールですねぇ。
多くの人からすると、結構遠いというのがネックですが(苦笑)。
こちらの公演も(いや、むしろこっちの方が)高校生がたくさんいる(笑)。
開演前はなにやら賑やかに騒いでましたが、バンドがステージに上がってからはぴったりと静かになりました。
さすがに楽器やってる面子だろうから、真剣ですな、こういうところは。
こちらのプログラムは、ソリストなしのギャルドのみの演奏で、曲目は以下の通り。
ベルリオーズ:「ローマの謝肉祭」序曲、デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」、ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」第2組曲、
ビゼー:「カルメン」組曲、ラヴェル:ラ・ヴァルス、ラヴェル:ボレロ。
今回は最初の音出しでも、ひゃっひゃと悲鳴を上げている人はいなかった(笑)。曲ごとに簡単に流します(笑)。
ローマの謝肉祭・魔法使いの弟子・三角帽子、この日ずっと感じたことですが、吹奏楽でこんな音が鳴るんだなぁとしみじみと思いました。
とにかくギャルドの音は華があるんだよなぁ…。曲自体、華々しい曲だというのもありますけど。
あとは、やっぱりWリード軍団の上手さを見せ付けられました。特にコーラングレはすごい音がするなぁ…。
休憩時間はやっぱり、何人かロビーに出てきてました(笑)。
カルメン、これはよくオケでよく演奏される、第1組曲、第2組曲そのものではなく、演奏されたのは、4幕への間奏曲(アラゴネーズ)、
2幕への間奏曲(アルカラの竜騎兵)、3幕への間奏曲、前奏曲(闘牛士の歌)です。
ラヴェル2曲。これも色彩華やか、特にボレロは同じ旋律を音色を変えながら演奏していく曲ですが、
ほとんど濁ることもなく(オーボエがちととちりましたけど(苦笑))、楽器の音の組み合わせを楽しむことができました。
オーボエとフルートのユニゾンとか、身震いがするほどで…。
アンコールは2曲。フランス民謡「カルマニョール」、ニーノ・ロータ:8 1/2のテーマ。
アンコール曲も素晴らしかったんですが、オペラシティは5曲だったので…という思いがちょっと。
最後にマーチが来ないってのもね…。隣にいた人もオペラシティ公演を見た人だったらしく、「え、終わり?」といっていた(苦笑)。
確かに、横須賀公演はオペラシティと比べて価格が3割くらい安いんですが、それはソリストの有無による違いじゃないのかなぁ。
演奏時間が30分まるまる違うってのはどうなんだろう、とちょっと思った。
あと、演奏は確かに良かったんですが、今回前の方の席で見て、足を遊ばせてるクラ奏者がいたりして、
あからさまに手を抜いてる様子が見えてしまったのも、ちょっとな…。
まぁ、それで演奏はおかしくなってないんだから、大したものではあるんですが(苦笑)。
というわけで、一部、素直に楽しめなかった横須賀公演でした(苦笑)。

全体を通しての感想は、やっぱり圧倒的な技術と迫力といったところでしょうか。
日本の吹奏楽は上手いんだけど、このダイナミズムはないなぁ(単に正確さという意味なら、日本のトップクラスの学生バンドの方が上かも知れない)。
日本は、コンクールの定員が50人(中学・高校の部の場合)なので、どうも吹奏楽は50人編成というイメージがありますが、
オーケストラからのアレンジ曲やるならば、100人編成が必要なんだというのは強く感じた(でもそうすると、半分コンクール出れないんだよな)。
でも、やっぱり生の音はいいねぇ…。ますます、生楽器とか生演技とか、そんなものに傾倒していきそうな今日この頃ですよ。
しかし、今年はやたらにフランスのオケが来日してるのだが、交流年とかなんだったっけ?(笑)